ストックフォト専業の道(4)~まずはいろいろ撮ってみる

ストックフォト専業道

基本は家で作品作りをすることになりましたが、さて、なにを作ろう。

まず意識したのは、自分の先入観は捨てて第三者目線で作品を創ること。買ってくれるのは自分ではなく、あくまでもお客さん。

そして、いろんな人に選んでもらえるよう、品揃えを豊富にしておくとよいかなと思いました。

手当たり次第に撮ってみる

しかし、どんなものが売れるのか最初から予測がつくなら誰も苦労はしません。それができれば、売れ筋作品を優先的に作って効率的に売り上げを増やすことができますが、今はまだ素人同然で見当もつきません。

そこで、まずは、何が売れるかなんて気にせず、周囲にあるものを手当たり次第に撮って、いろんな作品を作ってみようと考えました。

もちろん、手当たり次第といっても、あまり考えずに漠然と撮っていてはダメですね。少なくとも、被写体、テーマ、雰囲気など、自分の頭の中で何か意識することが大事に思います。

例えば、部屋のドアを被写体とするとしましょう。

普通のドアなんて目立った特徴もない被写体で、テキトーに撮っているとどれも平凡な写真になりがち。

ですが、ドアの形、パーツ、材質・質感、角度、光の当て方、周囲の状況など、何かを意識してシャッターを押すだけで作品はがらっと変わります。

また、意識する点をいろいろと変えれば、1つの被写体からいろんな作品(バリエーション)が作れます。

金属製のノブを握ってドアを開ける

上の写真は、ドアの中でも特にノブ(取っ手)に着目し、さらに、ドアに入る人の視点をイメージして撮りました。

この写真はストックフォトを始めたばかりの初期の写真で、当時は、こんなの売れるのかなと半信半疑でした。

でも、テーマがわかりやすくてシンプルなのがよかったのか、今でも時折売れています。

対象を選り好みしない

この段階では、どんなものが売れやすいのか傾向を知るためにも、さまざまな作品を出すことが大事です。

そのために、自分の好き嫌いは脇に置き、選り好みをせずに作品を作る、ということも意識しました。

ここは、自分の作品に統一感を求めるタイプのクリエイターの方には抵抗があるかもしれません。

例えば、やや極端な話ですが、以前、PIXTAのオンラインセミナーを受けた際に、たしか、担当者の方がこんなことをおっしゃってました。

「クライアントから、気持ち悪い虫の写真をリクエストされたことがあります。そういうのをあまり苦手とされない方はぜひチャレンジしてみては。」

葉っぱの上のカマキリ

なるほど~。私は昆虫が好きで、カブトムシやセミ、チョウなど、普通に人気のある虫は外でよく撮るので、こんなのはよく出してます。

ですが、気持ち悪いのはさすがにいやだし、そもそも売れないだろうと自然に避けてましたね。

ちょっと考えを改めて、庭に出て、普段は興味を持たない生き物をいろいろ撮ってみました。

ここで気持ち悪い写真を出すのは気が引けますので、ダンゴムシ程度にしておきますが、こんなのでもたまにですが売れてます。

湿った土の上を動くダンゴムシ

ダンゴムシも1匹ならそれほどでもないですが、地面にうじゃうじゃとうごめいているダンゴムシになるとかなり気持ち悪い。。。

その他、ミミズやヤスデ、ナメクジ、クモ、毛虫、チョウの幼虫など、虫好きでもあまり撮ろうとは思わない写真も、それなりに売れてます。

これはあくまでも例で、もちろん虫嫌いな人に気持ち悪い虫を撮ろう!と勧めているわけではありません。

大事なのは、少なくともはじめは、自分の好き嫌いに関係なく被写体を選ぶこと。これにより作品に偏りができるのを防げます。

また、誰もが先入観で「こんなの売れないだろう」と思うような被写体は、そもそも登録されている数も少ないです。

こういう競合が少ないニッチな作品は、ある意味売れるチャンスがあるといえますね。

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